特集記事
テーマで探す
ゴルフ漫画
ゴルフニュース
最新コラム
月別アーカイブ
JLPGAツアーQTの失敗から這い上がった選手たち
毎年一回、シーズン終了後に行われるQT(クォリファイングトーナメント)。翌シーズンのJLPGAツアーおよびステップ・アップ・ツアーへの出場資格を決定するためのトーナメントです。
ここで40位前後に入れるとJLPGAツアーへの常時出場も見えてきますが、順位が下がるほど可能性は低くなります。
そんな中、QTを100位以下の成績で終わりながら、シード権にたどり着いた選手がいます。シーズンで一人か二人の離れ業を実現した選手たちを紹介します。
QTからシード権を掴むまでの通常ルートとは
QTを上位で通過してQTランキング40位前後ならシーズン初めからJLPGAツアーに参戦が可能です。年2回のリランキングで優先順位の入れ替えはありますが、シード権争いをする成績なら問題なく通過できます。
リランキングを通過して全試合に出場可能なら、条件はシード選手と同じです。後はメルセデス・ランキング50位以内に入ればシード権の獲得。このルートがQT受験者のシード権を取る一般的なルートです。
QTランキング下位の選手の選択肢
QTランキング下位の選手には選択肢が2つあります。
1つはステップ・アップ・ツアーに専念して1年間戦い、賞金ランキング2位までに入る方法です。2位までに入れば翌年度の前期出場権が得られます。遠回りのようで案外シード権までの近道かもしれません。
もう1つが主催者推薦などでJLPGAツアーへの出場機会を掴み、少ないチャンスをものにしてリランキングをクリアする方法です。リランキングさえクリアできれば以降の出場機会はぐんと増え、チャンスは大きく膨らみます。
QT下位から這い上がった選手たち
2020-21年シーズン 堀 琴音(ほり ことね)選手
引用元:堀琴音|JLPGA2018年にシード権喪失
堀選手は2015年~2017年までシード権を保持しましたが、2018年に賞金ランキング114位で喪失。2019年は賞金ランキング150位と最悪なシーズンでした。
2019年のQT
2019年のQTも、ファーストステージを47位で終わり、22位までに与えられたファイナルステージには進出できず、QTランキング164位で2020-21年シーズンを迎えました。
苦難の2020年、だが耐え忍んで復調路線
2020年は3試合に出場して全て予選落ちでしたが、年が変わって2021年になると、初戦「第34回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で54位タイながらも予選を通過。続く2戦は8位タイ、6位タイとトップ10に入って賞金を積み上げに成功しました。
2021年は悲願の初優勝
そして、リランキング前の「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」で12位タイ。QT上位者が24試合こなす中、わずか7試合でリランキング37位に入りました。
これで次回リランキングまでの出場権を確保して迎えた「ニッポンハムレディスクラシック」で初優勝を飾って賞金ランキング27位。シード権を復帰させてシーズンを終えています。
2019年シーズン 稲見 萌寧(いなみ もね)選手
引用元:稲見萌寧|JLPGA2018年プロテスト
稲見選手は018年のプロテストをギリギリの20位タイで合格。QTに臨みましたが、サードQTを44位として、41位までが進出できたファイナルQTには進めませんでした。そしてQTランキング103位で2019年シーズンに臨みます。
努力の2019年
自身初戦の「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」は予選落ちに終わりましたが、2戦目の「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」は9位タイでフィニッシュ。リランキングまでに7試合に出場して、予選落ちが3回あるもの5位タイ、3位タイとトップ10に入る活躍を見せ、リランキングを14位で通過。後半戦の出場権を掴みました。
2019年優勝後は大躍進
その後「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」で優勝。2ndリランキングは4位で通過しています。2019年はQTランキング103位からスタートして1stリランキングで14位、2ndリランキングで4位と大躍進。
賞金ランキングは堂々の13位でシーズンを終わり、2020-21年シーズンの大ブレークにつなげました。
稲見 萌寧選手の過去クラブセッティング
2018年シーズン 原 英莉花(はら えりか)選手
引用元:原英莉花|JLPGA2017年のプロテストは惜しくも…
原選手は2017年のプロテストに2打及ばず不合格。2017年のQTを受験しますが、サードQTは50位で、43位までが進出できたファイナルQTには進めませんでした。
これにより2018年シーズンはQTランキング117位からの参戦に。
2018年、失格の事態になるも一歩一歩前へ進む
自身初戦のツアー3試合目「Tポイントレディス ゴルフトーナメント」を34位タイで終了して、2戦目の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」は16位タイとまずまずの成績。
3試合目「スタジオアリス女子オープン」ではスコア誤記で失格になるものの、4試合目の「サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント」では7位タイに入る活躍で220万円を獲得、リランキング通過に向かって賞金を積み重ねます。
努力が実った瞬間
リランキング前の高額賞金大会「アース・モンダミンカップ」は予選落ちに終わりましたが、ここまで8試合に出場して獲得賞金は約560万円。リランキングを28位で通過して、後半戦の出場権を手に入れました。
2018年は25試合に出場してトップ10が5回で優勝こそないものの賞金ランキング38位に入りシード権を獲得。そして2019年には「リゾートトラスト レディス」でJLPGAツアー初優勝を飾ります。
原 英莉花 使用ドライバー
原 英莉花選手の過去クラブセッティング
QTのコラムをもっと読む
2022年も活躍中の3選手を紹介しました。QTで失敗してもリランキングで優先順位を上げればチャンスは大きく広がりますね。
QTに関してさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
よくある質問
Q.QTからシード権を掴むまでの通常ルートは?
A.以下のルートが一般的です。
1. QTランキング40位前後でJLPGAツアーに参戦
2. 年2回のリランキングをクリア
3. メルセデス・ランキング50位以内に入る
Q.QTランキング下位の選手がシード権を掴むルートは?
A.2つあります。1つはステップ・アップ・ツアーに専念して1年間戦い、賞金ランキング2位までに入る方法。もう1つは主催者推薦などでJLPGAツアーへの出場機会を掴み、少ないチャンスをものにしてリランキングをクリアする方法です。
Q.QT下位から這い上がった代表的な選手は?
A.堀琴音選手、稲見萌寧選手、原英莉花選手が代表的です。3名ともファイナルQTに出場できなかったものの、それぞれリランキングで好成績を残し、シード権を獲得しています。