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ステップ・アップ・ツアーから羽ばたいた選手達-年代別に紹介-
ステップ・アップ・ツアーの目標は、JLPGAツアーの出場権を持たない選手や新人に試合経験を積ませて育成することで、ステップアップをさせること。2日間大会2試合からのスタートで紆余曲折がありながらも、2022年は2日間大会1試合、3日間大会14試合、4日間大会1試合の16試合が予定されています。
約30年のツアーの歴史を振り返りながら、年代別にステップアップしていった選手たちを紹介します。
ステップ・アップ・ツアーの歴史年表
1991年 |
第1回大会「コカ・コーラカップ」 賞金総額: ¥15,000,000 台湾出身の陳月霜選手が優勝 |
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1992年 |
肥後かおり選手が33位タイにはいり、賞金¥136,500獲得 その後、JLPGAツアー「安比高原レディース」で初優勝 |
2000年 |
試合数が6試合に増える 大山志保選手がプロテストに合格 「穴吹工務店レディースカップ」でステップ・アップ・ツアー初参戦 |
2002年 |
大山志保選手が「ヴァーナルカップ」でプロ初優勝 JLPGAツアーには20試合出場し、賞金ランキング29位でシード権を獲得 |
2003年 |
大山志保選手が「ベルーナレディースカップゴルフトーナメント」でJLPGAツアー初優勝 当時高校生だった宮里藍選手がJLPGAツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で30年振りとなるアマチュア優勝 女子プロゴルフの人気が急上昇し、試合数が増加し始める |
2005年 |
試合数が12試合に増加 飯島茜選手がステップ・アップ・ツアーでプロ初優勝 28試合のJLPGAツアーに出場し、「SANKYOレディースカップ」で優勝 賞金ランキング34位になり、シード権を獲得 |
2006年 |
飯島茜選手が「近未來通信クイーンズオープン女子ゴルフトーナメント」でJLPGAツアー初優勝 |
2007年 | ブラジル出身のマリア・イイダ選手がプロテストに合格 |
2008年 | 試合数が14試合まで増加するが、リーマンショックによる世界同時不況で試合数が大幅ダウン |
2009年 |
プロ2年目の木戸愛選手が「マルナカレディースオリーブカップ」でプロ初優勝 マリア・イイダ選手が賞金ランキング46位でシード入り |
2011年 | 木戸愛選手がシード権を獲得 |
2012年 |
比嘉真美子選手がプロテスト合格 ステップ・アップ・ツアー2試合目となる「ごうぎんDuoカード・レディーストーナメント」でプロ初優勝 木戸愛選手が「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」でJLPGA初優勝 |
2013年 |
鈴木愛選手がプロテストに合格 ステップ・アップ・ツアー出場3試合目の「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」で優勝 QTを52位で通過 |
2014年 |
鈴木愛選手がステップ・アップ・ツアーでプロ初優勝 ステップ・アップ・ツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」で優勝 JLPGAツアー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」でメジャー初優勝M 賞金ランキング13位に |
2015年 |
大会数が14まで伸び、初の3日間大会「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」が登場 初の3日間大会はマリア・イイダ選手が優勝 |
2016年 | 比嘉真美子がシードに復帰 |
2017年 | 鈴木愛選手が賞金女王に |
2018年 |
試合数が21にまで増える 原英莉花選手がステップ・アップ・ツアー出場2戦2勝の離れ業 |
2019年 | 鈴木愛選手が再び賞金女王に |
2021年 |
初の4日間大会「SkyレディースABC杯」が開催される ブラジル出身のマリア・イイダ選手が優勝 |
【1991年~2000年】第1回大会は「コカ・コーラカップ」
1991年に2試合で始まったステップ・アップ・ツアーも2000年になると6試合まで増えました。しかし、まだまだステップといえば2日間大会の時代。2000年に開催された6試合は全て2日間大会でした。
記念すべき第1回大会は1991年9月5日~9月6日の日程で開催された「コカ・コーラカップ」です。埼玉県の寄居カントリークラブを舞台に賞金総額¥15,000,000、優勝賞金¥2,700,000で行われ、3アンダーを出した台湾出身の陳月霜選手が優勝しています。
JLPGAツアー17勝 肥後かおり選手
この大会には、後にJLPGAツアーで17勝を挙げる若き日の肥後かおり選手が出場していました。初日80、2日目74のトータル10オーバーで53位タイ。賞金対象順位に1打足りず賞金0で大会を終えています。1992年も出場して33位タイにはいり、今度は賞金¥136,500を稼ぎました。1992年にJLPGAツアーの「安比高原レディース」で初優勝を飾り、以降はJLPGAツアーに専念しています。
「コカ・コーラカップ」は途中「ジョージアカップ」と名称を変え2002年まで続きました。
引用元:肥後かおり|JLPGA【2001年~2010年】女子プロ人気と世界同時不況
2001年~2010年にかけての10年間は変動の時代になりました。
JLPGAツアー18勝賞金女王 大山志保選手
2000年にプロテストに合格した大山志保選手は、2000年の「穴吹工務店レディースカップ」を皮切りに2002年までステップ・アップ・ツアーに参戦。2002年の「ヴァーナルカップ」でプロ初優勝を飾ります。
2002年はJLPGAツアーにも20試合に出場して、賞金ランキング29位でシード権を獲得。2003年からはJLPGAツアーに専念します。2003年には「ベルーナレディースカップゴルフトーナメント」でJLPGAツアー初優勝に輝くと、2006年には賞金女王にもなって2021年までにJLPGAツアー18勝。2022年シーズにはシード選手として参戦中です。
「穴吹工務店レディースカップ」は2002年まで、「ヴァーナルカップ」は2005年まで開催されました。
引用元:大山志保|JLPGA宮里藍選手の登場で女子プロ人気も試合数も急上昇
そして、2003年には当時高校生だった宮里藍選手がJLPGAツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で30年振りとなるアマチュア優勝を果たしました。宮里選手はJLPGAツアーの出場権を持ったままプロ入り表明をしたため、ステップ・アップ・ツアーでの実績はありませんが、女子プロゴルフの人気は急上昇。2000年に6大会だった試合数は2005年には12大会まで増加します。
JLPGAツアー7勝 飯島茜選手
そんな2005年にステップ・アップ・ツアーで、プロ初優勝を果たしたのが飯島茜選手でした。2005年はJLPGAツアーに28試合、ステップ・アップ・ツアーには2試合出場しています。そのうちの1試合が優勝した「SANKYOレディースカップ」でした。
2005年は賞金ランキング34位になりシード権を獲得。2006年からはJLPGAツアーに専念しています。2006年には「近未來通信クイーンズオープン女子ゴルフトーナメント」でJLPGAツアー初優勝を飾り、2021年までに7回の優勝を挙げました。
「SANKYOレディースカップ」は2008年まで開催されています。
引用元:飯島茜|JLPGAONOFF DRIVER KURO
世界同時不況の影響で試合数も大幅ダウン
2005年に12大会を数えた試合数は2008年には14試合まで増加しますが、2008年9月には世界同時不況の引き金となったアメリカのリーマンブラザーズが破綻。世界経済はリーマンショック一色に染まりました。
右肩上がりに試合数を増やしたステップ・アップ・ツアーでしたが、不況の影響はいかんともしがたく、2009年には8試合、2010年には5試合まで減少してしまいます。
JLPGAツアー1勝木戸愛選手
そんな中行われた2009年「マルナカレディースオリーブカップ」では、プロ2年目の木戸愛選手がプロ初優勝を飾りました。木戸選手は2009年JLPGAツアーには11試合出場して予選落ちが10回と振るいませんでしたが、8試合行われたステップ・アップ・ツアーでは6試合に出場して50位以内が5回でうち優勝が1回と結果を残しました。
当時の優勝特典はJLPGAツアー4試合への出場権です。木戸選手も4試合に出場しましたが予選通過は1試合だけと結果は残せませんでした。2011年からはJLPGAツアーに専念。2011年にシード権を獲得して2012年の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」でJLPGA初優勝を飾っています。
「マルナカレディースオリーブカップ」は2009年に1度だけ開催された大会です。
引用元:木戸愛|JLPGA【2011年~2021年】3日間大会の登場
2010年5試合まで落ち込んだ後、2012年には7試合、2013年には10試合と持ち直し、2014年には12試合が開催されました。
この頃にステップ・アップ・ツアーから羽ばたいた選手が比嘉真美子選手や鈴木愛選手です。
JLPGAツアー5勝比嘉真美子選手
比嘉真美子選手は、2012年のプロテスト合格後に出場したJLPGAツアー「ニトリレディスゴルフトーナメント」では予選落ち。ステップ・アップ・ツアー2試合目となる「ごうぎんDuoカード・レディーストーナメント」でプロ初優勝を飾りました。優勝者に与えられる4試合では初戦の「富士通レディース」で3位タイに入る健闘を見せています。
2012年のQTを10位で通過して2013年シーズンからはJLPGAツアーに専念。2013年には「ヤマハレディースオープン葛城」で初優勝を飾ると、「リゾートトラストレディス」でも優勝、賞金ランキング8位になりシード入を果たしました。2015年にはドライバーの不調からシードを失いましたが、2016年には復帰を果たし、2021年までに5勝を挙げる活躍を見せています。
「ごうぎんDuoカード・レディーストーナメント」は、2019年まで開催され、勝みなみ選手や丹萌乃選手も優勝を飾りました。
引用元:比嘉真美子|JLPGAG425 LST
JLPGAツアー賞金女王2回鈴木愛選手
鈴木愛選手は、2013年プロテストに合格。合格後、ステップ・アップ・ツアー出場3試合目の「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」で優勝に輝いています。2013年のQTを52位で通過。2014年もステップ・アップ・ツアー数試合に出て「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」でも優勝を飾りました。
2014年は、JLPGAツアーでも「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で優勝を飾り、メジャーで初優勝の快挙を成し遂げました。2014年は賞金ランキング13位に入り、2015年からはJLPGAツアーに専念。2017年と2019年には賞金女王になっています。
「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」と「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」は2022年シーズンも開催予定です。
引用元:鈴木愛|JLPGAPING 2021 PUTTER ANSER 2
2015年にはついに3日間大会が登場
2015年になると大会数は14まで伸びて、ステップ・アップ・ツアーでは初の3日間大会「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」が登場します。この大会は試合数が減った2010年に「ルートインカップ 阿蘇グランヴィリオレディース」として新規に開催された大会です。
2013年に熊本県の阿蘇リゾート グランヴィリオホテルゴルフ場から長野県の上田丸子グランヴィリオゴルフ倶楽部に会場を移して開催されました。賞金総額¥20,000,000に増額されて開催された記念すべき3日間大会の優勝はブラジル出身のマリア・イイダ選手でした。
イイダ選手は2007年にプロテストに合格して2009年には賞金ランキング46位でシード入りした選手ですが、2016年のステップ・アップ・ツアーを最後に出場実績がありません。
2015年1試合だった3日間大会は、2016年には9試合を数え、2017年はついに10試合を超えてロレックスランキング対象ツアーとして認可されました。そして2021年には初の4日間大会「SkyレディースABC杯」が開催されました。
勝率100%!原英莉花選手
試合数が21まで増えた2018年、原英莉花選手がステップ・アップ・ツアー出場2戦2勝の離れ業を演じてみせました。2017年のプロテストに不合格だった原選手は、QTでもファイナルステージに進めず、2018年シーズンはQTランキング117位で参戦します。
JLPGAツアーへの出場権がない中、出場したステップ・アップ・ツアー開幕戦「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」を逆転でプロ初優勝。2戦目となった「日医工女子オープン」でも逆転優勝を飾り2戦2勝でした。
推薦で出場したJLPGAツアーでは、1stリランキングで28位まで優先順位を上げて以降の出場権を獲得すると、2ndリランキングでは16位まで上げてシード権を獲得しました。これ以降ステップ・アップ・ツアーの出場はないため、勝率100%です。
引用元:原英莉花|JLPGA【2022年~】JLPGAツアーに向けて
メルセデス・ランキングの導入など、新たなステージを迎えた女子プロゴルフ業界。未来で大活躍する選手が続々登場すると思うと、今後のステップ・アップ・ツアーから目が離せませんね。
ステップ・アップ・ツアーのコラムよくある質問
Q.肥後かおりはどんな選手?
A.日本女子プロゴルファー界のレジェンドとも呼ぶべき選手で、日本国内通算17回の優勝を達成しています。
Q.鈴木愛はどんな選手?
A.国内女子賞金ランキングで9位に位置し、2017年と2019年には賞金女王に輝いています。幼い頃に尊敬する宮里藍選手にサインをもらって感動したことから、子どもたちへのファンサービスを欠かさない選手としても知られています。
Q.原英莉花はどんな選手?
A.国内女子賞金ランキングで43位に位置し、ステップ・アップ・ツアー勝率100%を誇る23歳の若手ゴルファーです。