2015年に衰退したゴルフ業界が、今、再び盛り上がりを見せています。かつてないほどの人口増加に、ゴルフの第3次ブーム到来と言われているほどです。さらには、ゴルフ人口の増加によって、経済にも良い影響が現れています。

今回は、ゴルフ人口の増加の理由と、ゴルフブームが与える経済への影響についてまとめました。

2021年、世界のゴルフ人口が6,660万人に

R&Aの調べにより、2016年以降、ゴルフ人口は5年間で550万人以上増加し、現在6,660万人にも達していることが明らかになりました。

ゴルフ人口増加の理由は「新型コロナウイルス」

ゴルフ人口が増えた主な理由は、新型コロナウイルスの感染拡大だと言われています。コロナ禍では、できる限り他人との接触を避けるべく、テレワーク化やフリーアドレスの採用などがされました。これにより通勤時間が減り、自由な時間が増えたという方は多いでしょう。

自由な時間が増えた一方、趣味も自由に…とはいかなかったのがコロナ禍。感染拡大防止のため、他人と密集するような趣味は推奨されませんでした。

そんな中、ゴルフが数少ない「密」を回避できるアクティビティであったことが、ゴルフ人口が増えた理由だと言われています。「安全なスポーツ」として広く認知されたゴルフは、緊急事態宣言解除後、まだ感染拡大の不安が残る中でいち早くプレー人口が戻り、現在に至ります。

ゴルフを始める若者が激増

ゴルフといえば、「紳士のスポーツ」と呼ばれることから、ある程度年齢を重ねた男性がプレーするスポーツと思われがちです。しかし、近年新しくゴルフを始めたゴルファーの中には、若い方が少なくありません。2020年9月、日本プロゴルフ協会（PGA）会長は会見にて、一部のゴルフ練習場における来場者のうち、20～24歳が125％、25～29歳が60％増加したことを明らかにしたとのことです。

参考：ゴルフ場に若者激増､突如吹いた追い風の正体（東洋経済新報社）

黄金世代の台頭で、いっそう盛り上がるゴルフ業界

他にゴルフ人口が増加した理由を挙げるなら、渋野日向子選手や小祝さくら選手、原英莉花選手など、「黄金世代」と呼ばれる女性ゴルファーの露出が増えたことも1つではないでしょうか。

黄金世代の女性ゴルファーには、優れたゴルフの腕を持っているだけではなく、タレント顔負けの華やかな選手も多くいます。こうした女性ゴルファーがJLPGAで活躍していること、テレビ番組にも出演していることから、若い人々がゴルフやJLPGAに対して強い関心を持つようになりました。これもまたゴルフ人口の増加に繋がったのだと考えられます。

若いゴルファーが増えた理由は？

かつては若い人にとって、ゴルフはクラブの購入にお金がかかり、手を出しにくい印象がありました。しかし、近年は家族でゴルフをする人も増えていることもあり、初心者向けに手頃で質の良いクラブセットが登場しています。代表的なのがキャロウェイゴルフの「ソレイル パッケージセット」。ドライバーからパターまでの8本のゴルフクラブと、ヘッドカバー、キャディバッグがセットになっており、購入後、すぐにラウンドすることが可能です。

キャロウェイゴルフ「ソレイル パッケージセット」紹介記事

こうした初心者向けの安く良質な商品が充実してきたことに加えて、フリマアプリなどを利用し、中古のゴルフクラブを入手しやすくなったことが、若者のゴルフプレーを後押ししているのではないでしょうか。

年齢性別を問わず、誰もがゴルフを楽しむ時代に

かつては年配の男性によるプレーが多かったゴルフが、今では若い女性でも楽しめるようになっています。ここ数年、女性をゴルフ場で目にするようになったと感じる方は多いのではないでしょうか？

女性のゴルファーが増えた理由としては、やはり黄金世代の女性プロゴルファーの存在が大きいでしょう。若い女性でも年配の男性に負けず、しっかりとボールを飛ばせることから、そうしたかっこいい女性プロゴルファーに憧れる人が多いのだと考えられます。

女性向けアイテムが充実し、より楽しみやすく

もう1つ、女性ゴルファーの増加に関係していると考えられるのが、女性向けアイテムの充実です。最近のゴルフウェアは機能性に加えて、ファッション性も併せ持った商品が増えています。とりわけレディースゴルフウェアは、その傾向が顕著であるように思います。

また、女性向けの可愛いシャフトを展開するメーカーも登場しました。三菱グループに属する三菱ケミカルです。

三菱ケミカルが販売する「ELDI SERIES」は、艶のあるメタリックな外観と淡いカラーが特徴。まさに女性好みの見た目をしています。

ELDI SERIESを購入する

このように、現在のゴルフ業界は男性だけではなく、女性もターゲットにサービスを展開しています。女性が楽しくプレーしやすくなっているからこそ、女性ゴルファーも増えているのでしょう。

ゴルフ人口の増加によりもたらされた経済効果

ゴルフ人口の増加は、経済効果に繋がりました。2021年10月、総務省より、1世帯あたりの消費支出が前年より減少していると発表されました。

参考：家計調査（二人以上の世帯）2021年（令和３年）10月分（総務省統計局）

そんな中、スポーツ用品業界やゴルフ用品業界では、売上がアップしているのです。とりわけゴルフ関連用品は売上の上がり幅が大きく、矢野経済研究所の予想では、2021年のゴルフ用品市場規模は前年比117.6%になるとのことです。

“2021年のゴルフ用品市場規模（メーカー売上高ベース）は、前年比117.6%の2,730億8,000万円と予測する。”

（コロナ禍に翻弄された2020年の国内ゴルフ用品市場、市場規模は前年比87.5％にて着地｜矢野経済研究所 より引用）

今年は全米女子オープン選手権で笹生優花選手が優勝したことを受け、ゴルフ関連企業の株を購入する方が増え、株価も上昇しています。産経新聞によると、笹生優花選手の優勝をきっかけに、ゴルフダイジェスト・オンラインは前週末終値比124円（9.8％）高の1,395円を付けました。さらに、笹生優花選手のスポンサーであるロックペイントの株価は一時5.9％高、関連用品を販売するヨネックスも2.4％値上がりしたとのことです。

参考：ゴルフ関連企業の株上昇　笹生選手の全米女子優勝で（産経新聞）

JLPGAによる経済効果

日本においては、JLPGAの開催によっても経済に良い影響がもたらされています。2016年の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」は、40億円以上の経済効果が見込まれていたと言われたそうです。

参考：経済効果は40億円超！？ アクサレディスが香妻琴乃ら出場選手を発表（GDOニュース）

JLPGAは日本全国各地で開催されます。プロの試合を観戦するため、開催地には1万人以上のギャラリーが足を運ぶのです。観戦に際しては、交通費、宿泊費、飲食費などがかかります。これらの費用が、地域への経済効果に繋がっています。

一時期は新型コロナウイルスの影響で無観客試合が多かったJLPGAですが、徐々に有観客試合に戻ってきています。これからゴルフ人口が増え続ければ、JLPGAによる経済効果もいっそう大きくなると思われます。

ゴルフ人口の増加に伴い、新しいプレースタイルが広がる

2015年には500万人台まで落ち込んだゴルフ人口。今、当時からは考えられないほどのゴルフブームが起こっています。2015年にゴルフ人口が減少した理由の1つが「団塊世代の引退」であることを考えると、若い人がゴルフに関心を持つようになった今の時代のゴルフブームは、長く続くことが予想されます。

楽天GORAをはじめとしたゴルフ場予約サイトにおいても、若い人や家族が楽しめる新しいプレースタイルを押し出すことで、現在のゴルフブームを後押ししています。

ハーフプレー

通常18ホールのラウンドを、半分の9ホールでプレーするスタイルです。プレー時間が短く、予算も抑えられることから、気軽にラウンドできるとして人気のあるスタイルの1つ。関東では千葉県の「東京湾カントリークラブ」や、埼玉県の「KOSHIGAYA GOLF CLUB」で予約できます。

東京湾カントリークラブ（千葉県）

首都圏から1時間で辿り着く、アクセス良好のゴルフ場。豊富な自然林と、戦略性の高いコースが魅力です。

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KOSHIGAYA GOLF CLUB（埼玉県）

初級者から上級者まで、あらゆるレベルのゴルファーが楽しめるコースが揃っています。池やクリーク、バンカーを活かしたコースでラウンドを経験したい方におすすめ。

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2サム保証

通常4人1組でラウンドするところ、2人1組でプレーすることができるスタイルです。3人1組の「3サム」も存在します。「ゴルフ仲間を4人揃えられないけど、知らない他人とプレーするのはちょっと…」という場合におすすめ。カップルや夫婦、仲の良い友人同士2人で、気兼ねなくプレーできます。関東では千葉県の「キャメルゴルフ＆ホテルリゾート」や、茨城県の「日立ゴルフクラブ」で予約可能です。

キャメルゴルフ＆ホテルリゾート（千葉県）

1つひとつのホールに複数の攻略ルートが存在します。アップダウンがあり、ゲーム性が高いコースです。

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日立ゴルフクラブ（茨城県）

海に近いオーシャンビューのゴルフ場。潮風を感じながら爽快なプレーができるので、ロケーションを大事にする方におすすめです。

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多くのゴルフ場が新しいサービスを展開

プランに限らず現代のゴルフ場は、その多くが若いゴルファーや家族ゴルファーなど、幅広いターゲットに向けた新しいサービスを展開しています。セグウェイに注目が集まっているのも、その一環と言えるでしょう。グリーンを手軽に移動できるセグウェイは、普段乗ることができない乗り物。そのためか、若いゴルファーにはセグウェイに乗れるゴルフ場を積極的に探す方が多いようです

ゴルフ場内において、フードトラックによる軽食の提供をしているゴルフ場もあります。前述したKOSHIGAYA GOLF CLUBです。スループレーの際、おにぎりやホットドッグなどの軽食を食べながらプレーできることから、こちらも若い人に人気のサービスのようです。

参考：ゴルフ場にフードトラック？ レストランだけじゃないゴルフ飯の進化！（Yahoo!ニュース）

ドレスコード解禁の可能性

少し古いニュースになりますが、2019年には西熱海ゴルフコースが、期間限定でドレスコードを解禁したことも話題になりました。Tシャツ、ハーフパンツ、ショートソックスでのクラブハウスの入館やプレーを可としたのです。

参考：【西熱海ゴルフコース】期間限定ドレスコード解禁（PR TIMES）

また、スコットランドでは若いゴルファーを増やすため、ゴルフでのジーンズ解禁の動きもあるようです。

参考：紳士の国で高まるゴルフ"ジーンズ解禁"の動き…堅苦しいドレスコードが「若者を遠ざけている」[武川玲子コラム]（中日スポーツ・東京中日スポーツ）

昨今の様子を見ていると、いずれは日本でもドレスコードが解禁、または緩和になるのではないかと思われます。

今後、ゴルフ業界はさらに盛り上がると予想される

今後、ますますゴルフ人口は増えると予想されます。これから初めてゴルフを始める方もいるでしょう。

ごるトクでは、ゴルフ初心者も上級者も、誰もがゴルフを楽しめるような情報を提供していきます。これからゴルフを始めようと考えている方も、今以上にゴルフを楽しみたいと思っている方も、今後ごるトクが発信していく情報にご期待ください。

よくある質問

Q.なぜゴルフ人口が増えた？

A.新型コロナウイルスの感染拡大が大きな理由と言われています。他人との接触を避けて生活する中で、ゴルフが「密」を回避できる安全なスポーツとして認知され、再び盛り上がりを見せています。詳しくは「ゴルフ人口増加の理由は「新型コロナウイルス」」にて解説しています。

Q.なぜ若いゴルファーが増えた？

A.ゴルフを始めたい方向けに、手頃で質の良いクラブセットが発売され、ゴルフ界が若者のゴルフプレーを後押ししていることが考えられます。女性ゴルファーが増えた理由は「年齢性別を問わず、誰もがゴルフを楽しむ時代に」をご覧ください。

Q.JLPGA（日本国内女子ゴルフ）開催による経済効果は？

A.プロの試合を観戦するため、開催地には1万人以上が足を運びます。観戦時に必要な交通費、宿泊費、飲食費などが地域への経済効果に繋がっています。詳しくは「JLPGAによる経済効果」をご覧ください。